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Jeremie Souteyrat BW

ジェレミー・ステレイは、10年間東京に住み、現在はイギリス・ロンドンを拠点に活動するフランス人写真家です。

彼は「人」を作品の中心に据え、ストリートライフの視点から見た東京の現代住宅を捉えた初のモノグラフ『東京の家』を出版しました。

東京について語る時、西欧人は渋谷や新宿の高層ビルや過密な混雑を思い浮かべるのはないだろうか?しかし現実の東京はパリより更に低い建物が立ち並ぶ平面的な都市である。独立した個人住宅が平べったい土地にまさに密集している。狭い通りに面した限られた土地に、それぞれの家族が空に向かって開かれた繭のような、そして同時に通りからはしっかり隠された小さな我が家を建てている。

このプロジェクトで撮影された家々は日本でも著名な建築家によって設計されたもので、広大な東京という都市の中にあたかも宝石のように点在している。日本における建築法は歴史遺産への意識が不足していることもあり、非常にリベラルである。よって建築家は彼等の考えを表現している。東京はまさに野外劇場、住人たちは役者としてまたオーディエンスとして、この世界のユニークなセットとして機能している。

このプロジェクトではドキュメンタリー写真の手法を用い、これらの住宅の外観と周囲の環境を示すことで、これらの建築にアプローチを試みた。つまり、ふたつの分断させた世界、ストリートフォトとしての人間性と建築写真の完成度を両立させることを目指したかった。建物とはその内側の住空間と外観を保つべくデザインされるはずだ。人間不在の建築などは無意味であるべきだ。

限定版

バイオグラフィー

1979年、フランスのリヨン生まれ。

2001年に機械工学の学位を取得後、ジェレミー・ステイラは旅先での写真撮影を始めました。新しい文化と生き方を見つけるため、2009年に仕事を辞め、日本に移住しました。
東京では、ニューヨーク・タイムズ、ガーディアン、ル・モンド、エル、デア・シュピーゲルなど、一流の新聞や雑誌から、人物、建築、ドキュメンタリーなど、人間中心の撮影依頼を受けました。
2014年に初の作品集『東京の家』を出版。
2018年4月、新たな挑戦を求めて日本を離れ、ロンドンへ移住しました。