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Natsuki NAKAYAMA Ikono Art

中山夏樹は、絵画と映画という二つの媒体を駆使して創作・表現活動を行うマルチディシニシパル・アーティストです。彼女は、人間の内に秘められた欲望から生まれる二面性を探求しています。

絵画と映像を行き来することで、鑑賞者は「自」と「他」、「表」と「裏」といった相反する概念の根源に触れ、人間の心に内在する揺らぎや曖昧さを体感します。絵画の色彩や筆致を通して感情を呼び起こし、映像によって喚起された感情をキャンバスに重ね合わせることで、鑑賞者は無限の感情の宇宙へと誘われます。

中山の言葉:

絵画と映画は表現形式が異なりますが、その根源において通底しています。絵画は完成形において静的でありながらも、絵筆を用いたカンヴァスへの接触の連続的な制作過程は極めて動的であり、身体的な所作を内包します。映画の制作過程においても、空間と時間の中に連続的に、造形的な思慮をもって無数の動く画像が配置され、両者は共に、そのダイナミズムを前提に、我々の視覚を通して美や様々な感情を喚起します。

映画において、私は物語や明確な主題ではなく、視線の交錯、身体と身体の距離、時間の粘性といった、より繊細で目に見えない次元に興味を持っています。

「見る」ことの快楽と不安、「見られる」ことの暴力性と親密さの間で、映画は人間の存在の複雑な相互作用を映し出す装置です。絵画の静的な時間と、映画の連続的な時間。両者の形式的な違いは、私にとって表現の限界を問う機会であり、両者の交差点で、視覚と身体、内的世界と外的世界、主体と他者の間の曖昧な領域を探求することが可能になります。